2021年07月の読書メーター

7月の読書メーター
読んだ本の数:4
読んだページ数:794
ナイス数:56

現象学入門 (NHKブックス)現象学入門 (NHKブックス)感想
フッサール現象学概念を丹念に解読・解説しており、豊富な具体例やイラストが理解を助けてくれる。ただ中盤以降グッと難易度が上がり、フッサールの手強さを肌で感じた。アンチ現象学派に対して逐一反論を示すという徹底したスタンスがなんとも痛快な一冊。
読了日:07月26日 著者:竹田 青嗣

ヴィヨンの妻ヴィヨンの妻感想
日本語の美しさが際立っていると感じた。特に話し言葉。一つ一つの言葉にびっくりするくらい豊かな感情が込められている。救いがないと言えばそれまでだが、現代の日本でこんな物語を書ける人はどこを探してもいないし、未だに多くの人に読まれる理由が分かった気がする。太宰治ってすげえんだな、と改めて思った。
読了日:07月17日 著者:太宰 治

ウィトゲンシュタイン (平凡社ライブラリー)ウィトゲンシュタイン (平凡社ライブラリー)感想
ウィトゲンシュタインの弟子による伝記だが、予想を遥かに超えた内容。人間味溢れる書簡の数々は誤解されがちな哲学者の生身の姿を描いており、ウィトゲンシュタインのことが益々好きになった。実娘による岸田劉生の伝記を思い出した。
読了日:07月14日 著者:ノーマン・マルコム

はじめてのウィトゲンシュタイン (NHK BOOKS)はじめてのウィトゲンシュタイン (NHK BOOKS)感想
Kindleで安くなってたから軽い気持ちで購入して読んでみたらハマってしまい、読みかけの本を放り出して一週間で読み終わった。序盤の『論考』解説がとにかく目からウロコで、そこから後期主要概念の解説も的確すぎて最初から最後まで「すげー」と思いながら読んだ。著者は学生の理解を粘り強くサポートしてくれる先生なんだろうなと勝手に想像したが、某四コマ漫画の引用はかなり衝撃的だった。ウィトゲンシュタインマニアの諸隈元氏も本書を絶賛していたので、ウィトゲンシュタインに興味を持ったらまず最初に読むべき本。
読了日:07月08日 著者:古田 徹也


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