2021年06月の読書メーター

6月の読書メーター
読んだ本の数:5
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ナイス数:62

実務家ケインズ―ケインズ経済学形成の背景 (中公新書)実務家ケインズ―ケインズ経済学形成の背景 (中公新書)感想
やたら改行と引用が多いので読み応えには欠けるものの、豊富なデータを元に実務家としての業績をつぶさに分析しており、結果的に良いケインズ入門となっている気がする。まずこの本を読むことでケインズ理論の主要概念をざっくり押さえることが出来ると思うので、なかなか侮れない一冊。
読了日:06月29日 著者:那須 正彦


ケインズ―時代と経済学 (ちくま新書)ケインズ―時代と経済学 (ちくま新書)感想
伊東光晴氏の岩波新書版『ケインズ』は比較的伝記寄りな記述だが、吉川氏は欧米各国の当時の経済状況と絡めてケインズの学説について深掘りしつつ論じている。割とスルーされがちなインド省時代の活躍にスポットを当てており、目の付け所が違うなと感じた。ただ、まえがきの「本書の通読に際し経済学の予備知識は不要」の一言はちょっとどうかと思う。
読了日:06月25日 著者:吉川 洋


物語 現代経済学―多様な経済思想の世界へ (中公新書)物語 現代経済学―多様な経済思想の世界へ (中公新書)感想
マーシャル以降の主要人物を紹介しつつ、著者の魂が最も込められているのはノーベル経済学賞と経済学の多様性について述べられている第七章。政治情勢に左右されやすい経済学という学問の行く末について熱く警鐘を鳴らしている。学問の面白さがギュッと詰まっており、模範的な新書だと思う。
読了日:06月20日 著者:根井 雅弘


経済学を学ぶ (ちくま新書)経済学を学ぶ (ちくま新書)感想
ミクロ経済学を中心に解説しており、文章にクセもなく読みやすい。マクロ経済学については駆け足でさらった感じなので続編を読めということか。マルクス社会主義については一刀両断の如くぶった斬っており、まあ現代の経済学入門だし仕方ないよね、と思った。
読了日:06月15日 著者:岩田 規久男


経済学という教養 (ちくま文庫)経済学という教養 (ちくま文庫)感想
現代日本の経済状況をアダム・スミスマルクスケインズなどの経済理論を用いて分析しつつ、「不平等」や「公共性」など著者独自の視点から経済学という学問に対してとるべきスタンスについて提言している。議論の進め方が若干強引な気がしないでもないが、マルクス主義批判の箇所についてはなるほどと思わされた。
読了日:06月04日 著者:稲葉 振一郎

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