2021年09月の読書メーター

9月の読書メーター
読んだ本の数:6
読んだページ数:1331
ナイス数:65

クリトン 叢書ムーセイオンクリトン 叢書ムーセイオン感想
Kindle本。短いのでサクッと読めるが、ソクラテスが国外脱出せず刑を受け入れる理由についての独白が本文の殆どを占めており、対話篇の中でも重要度は高いと思う。正義の観点から国家と国民の関係を説くソクラテスに対して、何も反論できなくなるクリトンの気持ちが伝わってきた。
読了日:09月24日 著者:プラトン 藤田大雪


ソクラテス (岩波新書)ソクラテス (岩波新書)感想
今まで読んだ哲学・思想ジャンルの新書の中では断トツのNo.1であり、出版から半世紀を経た今なお模範的な新書と言える。ソクラテスの生涯を丹念に検証しつつ彼の思想の核心に迫る。ダイモン→智→徳の流れるような解説が素晴らしい。「はしがき」にもあるようにプラトン対話篇の有名どころと併せて読むことで相乗効果が期待できる。
読了日:09月23日 著者:田中 美知太郎


経済学の考え方 (岩波新書)経済学の考え方 (岩波新書)感想
シンプルなタイトルに騙されて読み始めたが、どう考えてもカタギの人間向けの本ではないと気づいた。「経済学このままでいいのかよ!」と先人の理論を批判的に検討しつつ、必殺技の社会的共通資本推しで締める。明らかに新書を逸脱したハイレベルな一冊。
読了日:09月19日 著者:宇沢 弘文


高校生のための経済学入門 (ちくま新書)高校生のための経済学入門 (ちくま新書)感想
イメージしづらい経済用語を身近な具体例で説明しており、素晴らしい経済入門書だと思うが、銀行の役割や社会保障など、社会に出ないと実感がわかない内容もあるので「高校生のための」という謳い文句はご愛嬌。もっと早く読んでおけば良かった。
読了日:09月17日 著者:小塩 隆士


経済学の歴史 (講談社学術文庫)経済学の歴史 (講談社学術文庫)感想
経済学の大御所たちの理論をプチ伝記とともにお届けする。興味のある人物の箇所だけを参照しても良いが、通読することで誰が誰の理論を受け継いでいるとか逆に敵対視してるとかの相関関係が楽しめる。ケインズシュンペーター辺りが見どころ。
読了日:09月08日 著者:根井 雅弘


市場経済学の源流―マーシャル、ケインズ、ヒックス (中公新書)市場経済学の源流―マーシャル、ケインズ、ヒックス (中公新書)感想
教科書や解説書を目指したものではないと宣言していて怯みかけたが、蓋を開けてみればマーシャル,ケインズ,ヒックスという大御所を「市場経済の均衡」という視点で料理した良書だった。経済理論の一歩先を見据えている著者の眼差しが印象に残る一冊。
読了日:09月02日 著者:井上 義朗

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