2020年11月の読書メーター

11月の読書メーター
読んだ本の数:5
読んだページ数:1241
ナイス数:94

葉隠入門 (新潮文庫)葉隠入門 (新潮文庫)感想
著者のバックボーンとも言える山本常朝『葉隠』のエッセンスを独自の視点で解釈・解説した一冊。時代や社会構造は違えども、武士が主君に仕える姿は現代の日本人に通じるモノがあると感じた。「どう生きるか」ではなく「どう死ぬか」を重視する発想が新鮮だった。現代語訳つき。
読了日:11月30日 著者:三島 由紀夫
カール・マルクス: 「資本主義」と闘った社会思想家 (ちくま新書)カール・マルクス: 「資本主義」と闘った社会思想家 (ちくま新書)感想
共産主義「ありき」ではなく、資本主義の成り立ちから問題点まで冷徹に分析し、変革を目指す「行動する思想家」としてのマルクス像を伝記的に描く。貪欲な研究により最後まで自らをアップデートし続けた姿が印象に残った。
読了日:11月26日 著者:佐々木 隆治
日本人養成講座日本人養成講座感想
日本および日本人に対する危機感をテーマとした論考の寄せ集め的な内容だが、この本を読んで何かしらピンときたミシマ初心者に、他の著書を手に取らせることを目的とした導入剤的な本だと思われる。意外と侮れない内容。自分もまんまと葉隠入門を買ってしまった。
読了日:11月24日 著者:三島由紀夫文学館
笑い (古典新訳文庫)笑い (古典新訳文庫)感想
岩波文庫の訳文に挫折して読んだところ、別の本かと思う程の分かり易さに感動。喜劇⇔他の芸術との比較により社会における笑いの作用を明らかにしている。「硬直性⇔しなやかさ」のくだりは『時間と自由』を過去にムリヤリ読んだことで理解が深まった気がする。
読了日:11月17日 著者:ベルクソン
「いき」の構造 他二篇 (岩波文庫)「いき」の構造 他二篇 (岩波文庫)感想
青空文庫で一回読んだので再読。文化人類学者ではなく仏留学中の気鋭の哲学者が書いたという事に価値がある。国文学への造詣の深さは言うに及ばず、ベルクソン二元論の実践を東洋の哲学者がさらりとやってのけたことは「周造マジ半端ない」としか言いようがない。
読了日:11月07日 著者:九鬼 周造

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