2021年11月11日
- すごく良いメロディを思いついた夢を見た。目が覚めたらもちろんメロディは忘れていた。くやしい。
- クラフトボスの500mlペットボトルを買ったけど案の定飲みきれず、帰りに流しに捨てた。
- 遅れに遅れていた運用の準備がようやく整い本日スタートできた。やり取りしてる担当の人は基本的にいい人なので露骨に催促されることはなかったが、内心「まだかよ、、」と思っていたに違いない。
2021年09月の読書メーター
9月の読書メーター
読んだ本の数:6
読んだページ数:1331
ナイス数:65
クリトン 叢書ムーセイオンの感想
Kindle本。短いのでサクッと読めるが、ソクラテスが国外脱出せず刑を受け入れる理由についての独白が本文の殆どを占めており、対話篇の中でも重要度は高いと思う。正義の観点から国家と国民の関係を説くソクラテスに対して、何も反論できなくなるクリトンの気持ちが伝わってきた。
読了日:09月24日 著者:プラトン 藤田大雪
ソクラテス (岩波新書)の感想
今まで読んだ哲学・思想ジャンルの新書の中では断トツのNo.1であり、出版から半世紀を経た今なお模範的な新書と言える。ソクラテスの生涯を丹念に検証しつつ彼の思想の核心に迫る。ダイモン→智→徳の流れるような解説が素晴らしい。「はしがき」にもあるようにプラトン対話篇の有名どころと併せて読むことで相乗効果が期待できる。
読了日:09月23日 著者:田中 美知太郎
経済学の考え方 (岩波新書)の感想
シンプルなタイトルに騙されて読み始めたが、どう考えてもカタギの人間向けの本ではないと気づいた。「経済学このままでいいのかよ!」と先人の理論を批判的に検討しつつ、必殺技の社会的共通資本推しで締める。明らかに新書を逸脱したハイレベルな一冊。
読了日:09月19日 著者:宇沢 弘文
高校生のための経済学入門 (ちくま新書)の感想
イメージしづらい経済用語を身近な具体例で説明しており、素晴らしい経済入門書だと思うが、銀行の役割や社会保障など、社会に出ないと実感がわかない内容もあるので「高校生のための」という謳い文句はご愛嬌。もっと早く読んでおけば良かった。
読了日:09月17日 著者:小塩 隆士
経済学の歴史 (講談社学術文庫)の感想
経済学の大御所たちの理論をプチ伝記とともにお届けする。興味のある人物の箇所だけを参照しても良いが、通読することで誰が誰の理論を受け継いでいるとか逆に敵対視してるとかの相関関係が楽しめる。ケインズ・シュンペーター辺りが見どころ。
読了日:09月08日 著者:根井 雅弘
市場経済学の源流―マーシャル、ケインズ、ヒックス (中公新書)の感想
教科書や解説書を目指したものではないと宣言していて怯みかけたが、蓋を開けてみればマーシャル,ケインズ,ヒックスという大御所を「市場経済の均衡」という視点で料理した良書だった。経済理論の一歩先を見据えている著者の眼差しが印象に残る一冊。
読了日:09月02日 著者:井上 義朗
読書メーター
2021年08月の読書メーター
8月の読書メーター
読んだ本の数:4
読んだページ数:799
ナイス数:58
不況のメカニズム―ケインズ『一般理論』から新たな「不況動学」へ (中公新書)の感想
稲葉振一郎氏曰く「貨幣的ケインジアン」の著者が一般理論の欠点を捕足しつつ「流動性選好」や「経済全体の効率」に着目して独自の不況理論を導出する。簡潔で無駄のない文章表現はいかにも理系的。ケインズ理論の専門知識がなくてもそこそこ読めるという点では評価できるが、失業者や貧困層対策についての記述に人間味が感じられない印象は否めない。平成不況や小泉構造改革はマクロ経済学者にとって絶好のサンプルのように見える。
読了日:08月27日 著者:小野 善康
ケインズとハイエク―貨幣と市場への問い (講談社現代新書)の感想
中盤まで小難しい経済学の話が続くのでしんどかったが「頭のキレる行動派」ケインズと「コツコツ地道な研究者」ハイエクを比較しつつ、経済学の枠に収まらないハイエクのスケールのデカさを見せつけられた。一風変わったハイエク入門書といった趣き。
読了日:08月18日 著者:松原 隆一郎
僕の場所の感想
自らのルーツとなった場所について掘り下げており、単なる自伝にとどまらないスケールの内容になっている。「近代」という視点や「拒否」から産まれるモノについての考察が興味深く、コンクリート建築を始めとした多種多様な価値観にケンカを売っているのが意外だった。
読了日:08月08日 著者:隈 研吾
岸田劉生 (岩波新書)の感想
美術史家である著者が、画家が生前描こうとした「美」とは何か、文筆及び画業それぞれの側面からスリリングに迫る一冊。家族や仲間内ではなく、第三者の視点から画風の推移や転機となった作品について解説しており、理論家としての岸田劉生の生き様を知ることができた。
読了日:08月02日 著者:富山秀男
読書メーター
2021年07月の読書メーター
7月の読書メーター
読んだ本の数:4
読んだページ数:794
ナイス数:56
現象学入門 (NHKブックス)の感想
フッサールの現象学概念を丹念に解読・解説しており、豊富な具体例やイラストが理解を助けてくれる。ただ中盤以降グッと難易度が上がり、フッサールの手強さを肌で感じた。アンチ現象学派に対して逐一反論を示すという徹底したスタンスがなんとも痛快な一冊。
読了日:07月26日 著者:竹田 青嗣
ヴィヨンの妻の感想
日本語の美しさが際立っていると感じた。特に話し言葉。一つ一つの言葉にびっくりするくらい豊かな感情が込められている。救いがないと言えばそれまでだが、現代の日本でこんな物語を書ける人はどこを探してもいないし、未だに多くの人に読まれる理由が分かった気がする。太宰治ってすげえんだな、と改めて思った。
読了日:07月17日 著者:太宰 治
ウィトゲンシュタイン (平凡社ライブラリー)の感想
ウィトゲンシュタインの弟子による伝記だが、予想を遥かに超えた内容。人間味溢れる書簡の数々は誤解されがちな哲学者の生身の姿を描いており、ウィトゲンシュタインのことが益々好きになった。実娘による岸田劉生の伝記を思い出した。
読了日:07月14日 著者:ノーマン・マルコム
はじめてのウィトゲンシュタイン (NHK BOOKS)の感想
Kindleで安くなってたから軽い気持ちで購入して読んでみたらハマってしまい、読みかけの本を放り出して一週間で読み終わった。序盤の『論考』解説がとにかく目からウロコで、そこから後期主要概念の解説も的確すぎて最初から最後まで「すげー」と思いながら読んだ。著者は学生の理解を粘り強くサポートしてくれる先生なんだろうなと勝手に想像したが、某四コマ漫画の引用はかなり衝撃的だった。ウィトゲンシュタインマニアの諸隈元氏も本書を絶賛していたので、ウィトゲンシュタインに興味を持ったらまず最初に読むべき本。
読了日:07月08日 著者:古田 徹也
読書メーター
2021年06月の読書メーター
6月の読書メーター
読んだ本の数:5
読んだページ数:1278
ナイス数:62
実務家ケインズ―ケインズ経済学形成の背景 (中公新書)の感想
やたら改行と引用が多いので読み応えには欠けるものの、豊富なデータを元に実務家としての業績をつぶさに分析しており、結果的に良いケインズ入門となっている気がする。まずこの本を読むことでケインズ理論の主要概念をざっくり押さえることが出来ると思うので、なかなか侮れない一冊。
読了日:06月29日 著者:那須 正彦
ケインズ―時代と経済学 (ちくま新書)の感想
伊東光晴氏の岩波新書版『ケインズ』は比較的伝記寄りな記述だが、吉川氏は欧米各国の当時の経済状況と絡めてケインズの学説について深掘りしつつ論じている。割とスルーされがちなインド省時代の活躍にスポットを当てており、目の付け所が違うなと感じた。ただ、まえがきの「本書の通読に際し経済学の予備知識は不要」の一言はちょっとどうかと思う。
読了日:06月25日 著者:吉川 洋
物語 現代経済学―多様な経済思想の世界へ (中公新書)の感想
マーシャル以降の主要人物を紹介しつつ、著者の魂が最も込められているのはノーベル経済学賞と経済学の多様性について述べられている第七章。政治情勢に左右されやすい経済学という学問の行く末について熱く警鐘を鳴らしている。学問の面白さがギュッと詰まっており、模範的な新書だと思う。
読了日:06月20日 著者:根井 雅弘
経済学を学ぶ (ちくま新書)の感想
ミクロ経済学を中心に解説しており、文章にクセもなく読みやすい。マクロ経済学については駆け足でさらった感じなので続編を読めということか。マルクスや社会主義については一刀両断の如くぶった斬っており、まあ現代の経済学入門だし仕方ないよね、と思った。
読了日:06月15日 著者:岩田 規久男
経済学という教養 (ちくま文庫)の感想
現代日本の経済状況をアダム・スミス、マルクス、ケインズなどの経済理論を用いて分析しつつ、「不平等」や「公共性」など著者独自の視点から経済学という学問に対してとるべきスタンスについて提言している。議論の進め方が若干強引な気がしないでもないが、マルクス主義批判の箇所についてはなるほどと思わされた。
読了日:06月04日 著者:稲葉 振一郎
読書メーター
2021年05月の読書メーター
5月の読書メーター
読んだ本の数:5
読んだページ数:1173
ナイス数:95
ケインズ―“新しい経済学”の誕生 (岩波新書)の感想
岩波新書青版の割には比較的読みやすい。理解の度合いはさておき、経済ど素人の自分でも最後まで興味深く読むことができた。とはいえ数式も容赦なく出てくるので適度に読み飛ばしたが、なぜ「一般」理論なのか、という部分は理解できた気がする。ケインズの革新性と毒舌っぷりがビシビシ伝わる名著。
読了日:05月24日 著者:伊東 光晴
論文の書き方 (岩波新書)の感想
著者自身の実体験を通して文章の書き方を解説しており、岩波新書青版にしてはかなりの読みやすさ。小手先のテクニックではなくアウトプット一歩手前の思考に焦点を当てており、書くことの難しさや奥深さについて考えさせられる。講談社現代新書『本はどう読むか』と合わせて読むと尚良し。
読了日:05月19日 著者:清水 幾太郎
入門!論理学 (中公新書)の感想
論理学の考え方を豊富な具体例と共に解説している良書。論理学の概念と一般的な言語使用との違いを明確に示してくれるのでありがたい。気の抜けたユーモアも随所に現れ、こんな授業だったら受けてみたいなと思わせる内容。著者によるツチノコのイラストはジワジワくるので必見。
読了日:05月14日 著者:野矢 茂樹
はじめての言語ゲーム (講談社現代新書)の感想
読みやすさは評価できるが、若干「言語ゲーム」を拡大解釈しすぎており、風呂敷を広げすぎな印象が否めなかった。ウィトゲンシュタイン入門として読むと肩透かしを食らうので、ウィトゲンシュタインの伝記および宗教・歴史・現代思想のトリビア集的な感覚で読むと丁度良いと思う。
読了日:05月05日 著者:橋爪大三郎
ウィトゲンシュタイン入門 (ちくま新書)の感想
前期から後期までの思想を伝記的なエピソードを挟みつつ一通り解説している。一回読んだくらいで理解できるはずもないのだが(これは読み手側の問題)、ウィトゲンシュタインの人物面および思想面の魅力を伝えることには成功していると思う。他の哲学者とは一線を画す孤高の学者だと感じた。木田元『ハイデガーの思想』のウィトゲンシュタイン版といった印象。
読了日:05月01日 著者:永井 均
読書メーター