2019年12月の読書メーター

12月の読書メーター
読んだ本の数:4
読んだページ数:1296
ナイス数:98

形而上学入門 (平凡社ライブラリー)形而上学入門 (平凡社ライブラリー)感想
「存在」の語源を遡ってみたり、ギリシア人の思想や詩を丹念に検証してみたり、存在を生成、仮象、思考などと差別化してみたり、周りを囲いこんで犯人を追い詰めるかのように「存在の問い」を突き詰めていく。しかし本編よりも付録の対談の方が面白い。
読了日:12月31日 著者:マルティン ハイデッガー
息吹息吹感想
待望の新刊は作者の幅の広さを見せつけられた。「偽りのない事実、偽りのない気持ち」「不安は自由のめまい」が特によかった。現代人が当たり前だと思い込んでいることが、この本を読むことで揺らいでくる。読み終わった後でもジワジワと読者を侵食するあたりが非常にヤバい。
読了日:12月28日 著者:テッド・チャン
実存主義とは何か実存主義とは何か感想
実存主義についての講演録および文学作品を収録。マルクス主義者の猛烈な批判に対して我慢強く抗議するサルトルに「お疲れさま」と言いたくなる。『顔』という掌編はサルトル独特の粘体感が現象学的手法で書き殴られており、クオリティの高さを見せつけている。
読了日:12月14日 著者:J‐P・サルトル
ハイデガーの思想 (岩波新書)ハイデガーの思想 (岩波新書)感想
木田氏お得意のミステリー仕立ての語り口で「ハイデガーのどこがすごいのか」について丁寧に解説してくれる。難易度高めだがじっくり読めば何とか理解できなくもないレベル。ただ「紙幅の都合で割愛」と随所で漏らしており、氏にとって新書の分量は余程窮屈だったと見える。
読了日:12月10日 著者:木田 元

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