権力の読みかた 萱野稔人

序論

◼状況1
主権国家成立の方法
・設立による方法(相互的な恐怖)
・獲得による方法(強者に対する恐怖)
→両者とも恐怖をモーターとして確立される
★死の恐怖→国家形成
自爆テロは死を恐れない
テロリズムと法停止状態の結びつき
★もともと支配する側が統治の手段として用いるもの
〈ヨーロッパ〉
帝国主義的覇権
・領土的
・勢力均衡
アメリカ〉
・帝国的な覇権
・脱領土的
・非対称性(唯一の強国↔それ以外)

構造改革をつうじた権力の再編成
冷戦の終結→戦争の民営化
構造改革
→権力の再編成
→利権の再配置

◼郊外と第三世界の拡大
フランス国内の第三世界の拡大
→過剰搾取されるアフリカ人労働者
→フランス人労働者

セキュリティ→生存条件の向上
・治安、安全保障
社会保険

ナショナリズムの逆説
セキュリティの低下
・雇用の不安定化
社会保障の縮減
ナショナリズムの原動力

「小さな政府」への移行
国民生活の保障<暴力によるセキュリティ管理

シェーマ=図式、様式、枠組み
マージナル=周辺、境界、限界
ポピュリズム大衆迎合主義(不安、恐れを利用)

ポピュリズムのヨーロッパ
国家の基礎にあるもの→恐喝
国家の形態
→実力行使のテクノロジー
→経済活動の生産様式

コノテーション潜在的な意味

フーコーの方法
権力とは
・行為が行為を規定するときに作用する力の関係
・行為の可能性を開く
↔暴力は可能性を閉ざす
・抵抗の可能性を排除しない
・匿名的に作用する
・戦略的合理性を備えている(計算され尽くされている)
・非人称的
●行為の可能性の領野を開く
●そこでなされる行為を条件付ける

権力と知は人間の活動をめぐるひとつの編成システムをなす
→身体の政治的テクノロジー

言説という概念→言語分析と区別するため
→特定の場所と時間において特定の記号が発せられたという事実
→分散のシステムを通じて編成される
・対象の編成
・言表行為の様態の編成
・概念の編成
・戦略の編成

言表(エノンセ)とは
→言説の基礎的な単位
→記号が持っている「存在にかかわる機能」
・関説性
・言表の主体(匿名的)の位置を定める
 →知と権力が言説において結び付く基盤

編成システムにおいては、規則性は不規則性に対立しない

ノミナリズム唯名論