2019年11月の読書メーター

11月の読書メーター
読んだ本の数:5
読んだページ数:1027
ナイス数:114

ユダヤ人 (岩波新書)ユダヤ人 (岩波新書)感想
「シチュアシオン」の観点からユダヤ人を分析・定義し、反ユダヤ主義の矛盾をこれでもかと炙り出す。昨今のヘイトスピーチなどの人種問題に通じる部分は大いにあると思う。ただ最後の最後で意外な結論に繋がっていくので「そうきたか」と意表を突かれた感は否めない。
読了日:11月27日 著者:J‐P. サルトル
水いらず (新潮文庫)水いらず (新潮文庫)感想
短編集。全体的に嘔吐よりも読みやすく「小説家サルトル」の才能が遺憾なく発揮されている。解説で絶賛されていた「壁」よりも表題作の「水いらず」や「一指導者の幼年時代」が個人的には好き。どの短編にも、読者を物語へ即座に引き込むパワーが宿っているように思う。
読了日:11月26日 著者:サルトル
嘔吐嘔吐感想
自身の思想を小説というフォーマットに結晶化し得たという点でサルトルは他の思想家とは一線を画している。ドラマチックな展開は無いが一文一文が短いせいか、後半へ進むにつれて文章がリズミカルになっていく。読んでいるうちにジワジワと物語に侵食されていくような感覚。
読了日:11月14日 著者:J‐P・サルトル
90分でわかるニーチェ90分でわかるニーチェ感想
90分は言い過ぎだけど、思想の解説というよりはむしろ伝記的でコミカルな記述が多く、ページ数も少ないので比較的読みやすい。ニーチェの著作を読んでみたくなる内容なので「新書」→「文庫」というステップの前段階として適していると思う。散歩は大事。
読了日:11月07日 著者:ポール ストラザーン
サルトル/メルロ=ポンティ往復書簡―決裂の証言 (みすずライブラリー)サルトル/メルロ=ポンティ往復書簡―決裂の証言 (みすずライブラリー)感想
即断即決即行動的なサルトルと沈思黙考慎重派のメルロポンティの二人が、アンガジュマンについての意見の相違から決別に至る過程が記録された三通の手紙。二人の偉大な思想家の胸の内が痛いほどに伝わってくる。今や滅び行く「手紙」というメディアの熱量を感じられる一冊。
読了日:11月01日 著者:J.‐P. サルトル,M. メルロ=ポンティ

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