2019年10月の読書メーター

10月の読書メーター
読んだ本の数:6
読んだページ数:1117
ナイス数:37

「いき」の構造「いき」の構造感想
青空文庫Kindle版。「事象そのものを見る」という現象学的手法を用いて日本特有の文化である「いき」の定義を試みている。随所で引用される一昔前の日本語(俳句や都々逸)の流れるような趣きが印象的。現代において「いき」の感覚は絶滅の危機に瀕しているので、天然記念物並みに保護した方がいいと思う。
読了日:10月29日 著者:九鬼 周造
哲学のモノサシ哲学のモノサシ感想
身近な疑問と近代以降の大物思想家の主張を関連付けて、噛み砕いて解説してくれる。現象学(フッサール)推しな感じが伝わってきたが、ニーチェヘーゲルをちゃんと読んでみたくなった一冊。これを読んでから竹田青嗣の『現代思想の冒険』を読むと順序的に良いと思う。
読了日:10月23日 著者:西 研
デカルト哲学についてデカルト哲学について感想
青空文庫(Kindle)。デカルトを始めとする近代思想の大御所(スピノザ、カント、ヘーゲルなど)がとった手法について偏りなく冷静な分析・批評を行っている。西洋・東洋の比較や仏教とのつながりについての考察は、日本人哲学者ならではだと思う。難しいけど読み進めたくなる。
読了日:10月23日 著者:西田 幾多郎
精神指導の規則 (岩波文庫 青 613-4)精神指導の規則 (岩波文庫 青 613-4)感想
プロトタイプ方法叙説とでも言うべき濃密な内容で、規則第十二までの展開はまさに圧巻だが、後半なぜか突然図解つきの算数教室が始まる。古きよき日本語の訳文が意外とマッチしているが、生徒指導室の怖い先生が出てきそうなタイトルは何とかした方が良いと思う。
読了日:10月18日 著者:デカルト
省察 (ちくま学芸文庫)省察 (ちくま学芸文庫)感想
デカルト本人の六日間に渡る独り言シリーズよりも、訳者によるQ&A形式の解説が初心者向けで理解しやすく、本文はオマケでむしろこっちだけ読めばいいんじゃね?と思ったり。特に近代以降の思想家にデカルトがどう読まれてきたか、という部分がとても興味深かった。
読了日:10月10日 著者:ルネ デカルト
メルロ=ポンティ 触発する思想 (哲学の現代を読む)メルロ=ポンティ 触発する思想 (哲学の現代を読む)感想
図書館本。メルロポンティの主要著書を年代順に解説。同時代の思想家たちとの小ネタ的なエピソードを随所に挟みながら、メルロポンティが言わんとしていたことについて噛み砕いた表現で教えてくれる。著者はお喋り好きで人の良いおっさんという印象。
読了日:10月08日 著者:加賀野井 秀一

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